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曹洞宗について│数珠専門店 亀屋

宗派による違い(曹洞宗)

曹洞宗について

由来

元来は唐代に起こった禅宗五派の一つで、我が国の曹洞宗は、『道元』が宋の禅宗である如浄(1163~1228)の法を継いだものである。

教えの特徴

臨済宗が『公案』を用いるのに対し、曹洞宗では『只管打座』を説く。道元は『只管打座』 が仏法の本義であるとして、禅の修行の最高位に置いた。このことから曹洞宗の禅を『黙照禅』(もくしょうぜん)と呼ぶ。
 座禅するときは何も考えず、悟りにすら求めずただひたすらに座禅するのが修業の正道であるとし、段階を経ずに一挙に悟りを開く『頓悟』(とんご)の立場をとる。

本尊

道元は『釈尊』が菩提樹の下で悟りを開いたことを禅の原点としたため、『釈迦牟尼仏』を本尊とするが、信仰や礼拝の対象ではなく、悟りの先達である大恩教主として尊敬する。

経典

臨済宗と同様に経典は『釈尊』の悟りを説明したものであるが、悟りそのものではないとし、真理を悟る手段として座禅の心で、『御経』を読む。
 日常的に読まれる『お経』として は『法華経』の『如来寿量品』・『観世音菩薩普門品』・『般若心経』・『甘露門・『大悲心陀羅尼』などがある。
また『道元』の著書である『正法眼蔵』・『普勧座禅義』『修証義』などが読まれる。

宗派の流れ

『道元』は一対一の教育を徹底した為に直弟子が少なく、嗣法の門人は、厳密には『懐奘』一人といわれる。それゆえに分派を生じることもなく、四代目の螢山に至って曹洞宗教団の基礎が固まり、その後急速に発展した。螢山は加賀・能登を教科し、律院だった諸岳寺を改めて禅院として『諸岳山總持寺』と名付けた。

主な寺院

曹洞宗には分派がなく、深山幽谷を好んだ『祖師・道元』によって人里離れた山中に建てられた『永平寺』(福井県)とともに『總持寺』を『両大本山』としたが、後者は、明治時代に焼失し、現在は横浜市に移っている。

その他、『懐奘』の遺骨が祀ってある 大乗寺 (石川県) 
豊川稲荷として知られる 妙厳寺 (愛知県) 
とげぬき地蔵で知られる 高岩寺 (東京都) 
赤穂四十七士が祀られている事で知られる 泉岳寺 (東京都) 
天狗の寺として知られる 大雄山最乗寺(道了尊) (神奈川県) 
等がある。

主な行事 ※各宗共通の行事は除く

年中行事として毎年9月27日に行われる『両祖忌』がある。これは『道元』と『螢山』の両祖を祀る行事である。また、12月8日の『釈尊道元』の日は、禅の専門道場では『臘八接心』(ろうはつせっしん)といい、その日を中心に8日間の座禅の修業をする。

コラム

『精進料理』
「精進」とは、ひたすら善を行い、悪を絶つ努力をすること。
仏教では粗食を旨とし、肉食を禁じていることから、肉類を用いない料理を『精進料理』と呼ぶようになった。
『浄土真宗』では『開祖・親鸞』が帰依の僧俗ともに肉食を解放したのに対し、『禅宗』では食生活を厳しく規制した。
その簡素な生活の徹底を強調したのが『道元』であり、日本の精進料理は『道元』によって大成されたといえる。
 中国の精進料理である『普茶料理』は、「明」から来日帰化し、『黄檗宗』の開祖となった『隠元』によってもたらされた。

祖師・道元 (1200~1253)

内大臣・『久我道親』の子といわれる。 諡号は『承陽大師』
比叡山で学んだ後、『栄西』の法嗣である『明全』に師事して禅門の人となった。
更に『宋』に渡り、『如浄の法』を継いで帰朝、座禅によって『釈尊』に帰れと唱え、理論よりも実践を重んじ、後代の我が国の思想に大きな影響を残した。