ログイン
HOME  » 数珠について学ぶ数珠・念珠について
カンタン知識
 » 宗派による数珠の違い

各宗派の本式数珠について

日本の仏教宗派と本式念珠

日本の仏教各宗派(真言宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗、天台宗など)における、本式数珠の独自の形状や教義上の違いを包括的に解説しています。
ご自身の宗派に合わせた「本式念珠」を持つことは、先祖から受け継がれた信仰を尊重し、真心を受け継ぐ尊い行為です。
 

本式数珠選びのポイント

  • 各宗派固有の形状: 「振分数珠」や「日課数珠」など、各宗派の教義や作法に適した独自の仕立てが存在します。
  • 珠の数と構成: 基本は108個の主珠で構成されますが、親玉の数、四天玉の配置、あるいは珠の形(平玉など)が宗派ごとに指定されています。
  • 房の形式: 数取りをしないための「蓮如結び」や、5本の房を持つ「法華数珠」など、房の形一つ一つに意味が込められています。

各宗派によるお数珠の違い

  • 真言宗(振分数珠) 108個の珠を二重にして用いるため「振分数珠」と呼ばれます。密教特有の、煩悩をすり砕くために念珠を擦り合わせて音を鳴らす作法に対応した形式です。
  • 浄土真宗(門徒数珠) 「蓮如(れんにょ)結び」と呼ばれる独特の房の形が特徴で、これは念仏の回数を数えないという教義を反映しています。男性用は一連の数珠に紐房を付けたものが主流です。
  • 日蓮宗(法華数珠) 「法華数珠」とも呼ばれ、片側に3本、もう片側に2本の合計5本の房がつく独特の形式です。祈祷時に打ち鳴らす作法があるため、黒檀や紫檀などの堅牢な材質が伝統的に好まれます。
  • 浄土宗(日課数珠) 2つの輪を一つに繋いだような非常に特殊な形状をしており、念仏を唱えた回数を数える道具としての役割(日課数珠)を持っています。
  • 禅宗(曹洞宗・臨済宗) 座禅を重んじる両宗派では二重の数珠を使用します。曹洞宗には「関子輪(かんじら)」という金属の輪が付き、臨済宗には付かないのが一般的な違いです。
  • 天台宗 「平玉(ひらだま)」と呼ばれる、ミカンのように扁平な形の珠を用いるのが最大の特徴です。房には20の平玉と10の丸玉が付く複雑な仕立てになっています。

真言宗の数珠の特徴

真言宗の数珠は、長い一連の珠を二重にして用いることから「振分(ふりわけ)数珠」と呼ばれます。最大の特徴は、念珠を擦り鳴らして音を立てる独自の作法にあり、これには百八の煩悩をすり砕くという意味が込められています。密教の教えに基づき、数珠を非常に大切な法具として扱う宗派です。

真言宗数珠のポイント

  • 構造と珠の数: 主玉108個、親玉2個、四天玉4個で構成されます。親玉から数えて7個目と21個目に四天玉が配置されています。
  • 独自の名称: 二重にして使う形状から「振分数珠」と呼び、房は一般的に「梵天房(ぼんてんふさ)」が用いられます。
  • 音を出す作法: 修法の終わりを知らせる合図として、また煩悩を砕くために珠を擦り合わせて音を出すのが真言宗特有の作法です。
【 真言宗の本式数珠 標準サイズ 】
男性用:一尺二寸(約36.3cm)
女性用:八寸(約24.2cm) ※サイズは数珠を左右に広げた時の長さを基準としています
 
【 真言宗のお念珠の持ち方 】

真言宗のお数珠の持ち方

①両手の中指でお念珠を掛けます ②そのまま合掌します ③房は自然と垂らします

真言宗(しんごんしゅう)の概要

真言宗

平安時代初期の僧、空海(弘法大師)を宗祖とする。万物は大日如来を根本母体とし、人もその例外ではない。法神仏である大日如来と共に修行を積む事により、生身のままで仏となれる(即身成仏) と説く。



● 宗祖 : 空海(くうかい)
● 経典 : 大日経 金剛頂経
● 本尊 : 大日如来様
(※本尊はどの仏像でも良いとされています)

 真言宗系の宗派 ・・・ 高野山真言宗、真言宗智山派、真言宗豊山派、真言宗醍醐派、 
東寺真言宗、真言宗泉湧寺派、真言宗御室派、真言宗山階派、真言宗大覚寺派、真言宗善通寺派、など


詳細情報はこちら>>

浄土真宗の数珠の特徴

浄土真宗の数珠は「門徒数珠(もんとしゅず)」と呼ばれ、房の部分に「蓮如(れんにょ)結び」という独特の結び方があるのが最大の特徴です。他の宗派のように数珠を擦って煩悩を払うという考えを持たない(煩悩を抱えたままで救われるという教え)ため、数を取りにくい独特の形状をしています。そのため、素材や色、形に厳格な制限がなく、お好みのものを自由に選びやすい宗派です。

浄土真宗数珠のポイント

  • 独特の房「蓮如結び」: 数珠を手に掛けた際に、房が絡まないよう工夫された独特の結び方で、浄土真宗の教義を象徴しています。
  • 男性用と女性用の違い: 男性は一重(略式)に紐房(ひもふさ)を付けたものが主流ですが、女性は長い一連を二重にして持つ「八寸(はっすん)」の形が正式です。
  • 本願寺派(お西)と大谷派(お東)の違い: 二連数珠の場合、お西は「頭付撚房(かしらつきよりふさ)」、お東は「切房(きりふさ)」を用いるのが一般的です。
  • 数珠の構成: 本来は主玉108個、親玉2個、四天玉4個で構成されますが、男性用は略式数珠と同じ「22玉」などの形が標準的に使われています。
【浄土真宗の本式数珠 標準サイズ 】
男性用:主玉22個(略式数珠と同様のサイズが標準)
女性用:八寸(約24.2cm) ※サイズは数珠を左右に広げた時の長さを基準としています
 
【 浄土真宗のお念珠の持ち方 】

浄土真宗のお念珠の持ち方

* 本願寺派(お西):お念珠を二重にし、合掌した手に掛け、房を下に垂らします。
* 大谷派(お東):二重にしたお念珠の親指と人差し指の間ではさみ、房は左手側に垂らします。
※男性用の浄土真宗のお念珠は、基本的に片手数珠の持ち方と同じです。

浄土真宗(じょうどしんしゅう)の概要

浄土真宗 本願寺派

親鸞(しんらん)を宗祖とする。全ては阿弥陀入来のご加護の力であり、信じること、念仏を唱えることで極楽往生できるとし、『他力本願』を説く。
浄土真宗には本願寺派(お西)と大谷派(お東)があり、念珠の持ち方も若干違います。
 

● 宗祖 : 親鸞(しんらん)
● 経典 : 浄土三部経 特に「無量寿経」

● 本尊 : 阿弥陀仏様

浄土真宗系の宗派:浄土真宗本願寺派(西)、真宗大谷派(東)、真宗高田派、真宗仏光寺派 など

詳細情報はこちら>>

日蓮宗の数珠の特徴

日蓮宗の数珠は「法華(ほっけ)数珠」と呼ばれ、5本の房がついた独特の形をしています。お題目(南無妙法蓮華経)を唱える際の祈祷において、木剣と組み合わせて打ち鳴らす作法があるため、古くから黒檀や紫檀などの堅牢で丈夫な材質が好まれてきました。

日蓮宗数珠のポイント

  • 5本の房: 片側に3本、もう片側に2本の房がつく、日蓮宗専用の複雑な仕立て。
  • 8の字の作法: 輪を「8の字」に捻って両手の中指に掛ける、非常に特徴的な持ち方をします。
  • 珠数曼陀羅: 玉のひとつひとつに意味があるとされており、信仰において非常に重要な法具と位置づけられています。
【 日蓮宗の本式数珠 標準サイズ 】
男性用:一尺(約30.3cm)
女性用:八寸(約24.2cm) ※サイズは数珠を左右に広げた時の長さを基準としています
 

日蓮正宗の数珠について

日蓮正宗の数珠は、日蓮宗と同じく5本の房を持つ「法華(ほっけ)数珠」の形式ですが、房の色は「白色」を用いるのが厳格な決まりです。

 
【 日蓮宗のお念珠の持ち方 】

日蓮宗のお念珠の持ち方

①念珠の輪を8の字に捻じり、中指に掛けます ②右手に二本に房、左手に三本房が来るように持ちます ③そのまま合掌します

日蓮宗(にちれんしゅう)の概要

日蓮宗 宗紋

日蓮を宗祖とする。経典とする法華経の中で 『上行菩薩』は日蓮自身とし、法華経と人の生き方との一体化を目指す。「南無妙法蓮華経」(題目)を唱える事で、全て万民は成仏できると説く。




● 宗祖 : 日蓮(にちれん)
● 経典 : 法華経(ほけきょう)
● 本尊 : お釈迦様 大曼荼羅


日蓮宗系の宗派・・・日蓮正宗、法華宗、不受布施派、本門佛立宗、など

詳細情報はこちら>>

浄土宗の数珠の特徴

浄土宗の数珠は、「日課数珠」と呼ばれ、2つの輪を一つに繋ぎ合わせた独特の形状が最大の特徴です。これは「南無阿弥陀仏」と唱える念仏の回数を数えるための道具としての役割を持っており、他宗派にはない機能的な構造をしています。

浄土宗数珠のポイント

  • 独特の形状: 2つの輪を交差させたような形をしており、念仏の数を数えるのに適しています。
  • 日課数珠: 一般の信徒が日常的に使用する数珠を指し、男性用は九寸、女性用は八寸が標準的なサイズです。
  • 持ち方の作法: 親指に掛けて房を手前に垂らす、浄土宗独自の持ち方です。
【 浄土宗の本式数珠 標準サイズ 】
※サイズは数珠を左右に広げた時の長さを基準としています
男性用:九寸(約27.3cm)
女性用:八寸(約24.2cm) 
 
【 浄土宗のお念珠の持ち方 】

浄土宗のお念珠の持ち方

①2つある輪の親玉を揃えます ②合掌した手の親指に掛け、房は手前に下します ③また、浄土宗内の宗派によっては、房を外側に下す持ち方をします

浄土宗(じょうどしゅう)の概要

浄土宗

法然(ほうねん)を宗祖とする。法然が草庵を結んだ地に、法然の弟子である源智が、『大谷寺』を創建したのが浄土宗の始まりとされている。修行による成仏を認めず、阿弥陀仏の名を唱える念仏をすることで(専修念仏)、極楽往生できると説く。

 

● 宗祖 : 法然(ほうねん)
● 経典 : 浄土三部経 特に「観無量寿経」

● 本尊 : 阿弥陀様

浄土宗系の宗派 ・・・ 西山深草派、西山浄土宗、西山禅林派、など


詳細情報はこちら>>

禅宗(曹洞宗・臨済宗)の数珠の特徴

禅宗である曹洞宗と臨済宗では、自己と向き合う座禅を重視するため、他宗派のような複雑な祈祷作法や厳格な規定は比較的少ないのが特徴です。一般的には主珠が108個の一連の数珠を二重にして用いますが、両宗派の最大の違いは「金属製の輪(関子輪)」の有無にあります。

禅宗数珠の選び方のポイント

  • 共通の形状: 基本的に108個の主珠を持つ一連の数珠を二重にして使用します。
  • 曹洞宗の特徴: 数珠の輪の中に「関子輪(かんじら)」と呼ばれる金属製の輪が通されているのが正式な形です。
  • 臨済宗の特徴: 曹洞宗とほぼ同じ形状だが、金属の輪は付かないのが一般的です。
  • 持ち方の作法: 二重にした数珠を左手に掛け、右手を合わせて合掌します。
【曹洞宗・臨済宗の本式数珠 標準サイズ 】
男性用:一尺二寸(約36.3cm)
女性用:八寸(約24.2cm) ※サイズは数珠を左右に広げた時の長さを基準としています
 
【 禅宗系のお念珠の持ち方 】

曹洞宗・臨済宗 禅宗系のお念珠の持ち方

①念珠を二輪にし、左手に掛けます ②そのまま右手を合わせ、合掌します

曹洞宗(そうとうしゅう)臨済宗(りんざいしゅう)の概要

曹洞宗 臨済宗 宗紋

『人の心』と『仏の心』は一つ(仏性)と説く。自分自身の本質を追及し、悟りを求める宗派。始祖は栄西で『臨済宗』の禅を伝え、後に道元が『曹洞宗』の禅を伝えた。曹洞宗・臨済宗、共に禅宗とも呼びます。

《 禅宗(ぜんしゅう) 》

● 宗祖 : 道元(曹洞宗) 栄西(臨済宗)
● 経典 : 正法眼蔵(曹洞宗)
※臨済宗は特になし
● 本尊 : 釈迦如来様
始祖は道元。座禅による実証、『只菅打座』(シカンタンザ)を本旨とし、座禅する事で真実の自己・仏性に目覚め、悟りの境地へと至るとする。

禅宗系の宗派 ・・・ 妙心寺派、建仁寺派、南禅寺派、東福寺派、など


曹洞宗の詳細情報はこちら>>

臨済宗の詳細情報はこちら>>

天台宗の数珠の特徴

天台宗の数珠は、「平玉(ひらだま)」と呼ばれるミカンのような扁平な形の珠を使用するのが最大の特徴です。主玉108個、親玉1個、四天玉4個で構成され、親玉から連なる房に合計30個(平玉20個、丸玉10個)の珠が付くという、他宗派にはない独自の複雑な仕立てになっています。

天台宗数珠のポイント

  • 独特の珠の形状: 平たい「平玉」が使われており、数珠を擦り鳴らして音を立てる独自の作法にも適した形状となっています。
  • 親玉と房の構造: 親玉が1個のみ配置され、そこから伸びる房に多くの珠が組み込まれているのが正式な形式です。
  • 一切皆成(いっさいかいじょう)の教え: 生き物だけでなく草木までも成仏できるという教えに基づき、法華経を重んじる信仰の中で大切な法具として扱われす。
【 真言宗の本式数珠 標準サイズ 】
男性用:九寸(約27.3cm)
女性用:八寸(約24.2cm)
 
【 天台宗のお念珠の持ち方 】

天台宗のお念珠の持ち方

①お念珠を、人差し指と中指の間に掛けます ②そのまま合掌します

天台宗(てんだいしゅう)の概要

天台宗

中国の天台大師を高祖とし、日本の伝教大師最澄を宗祖とする。人はもちろん、動物、草や木でさえも成仏出来る、「一切皆成(いっさいかいじょう)」を教えとする宗派。数珠を擦って音を鳴らす拝む方もよく見られます。

 

● 宗祖 : 最澄(さいちょう)
● 経典 : 法華経(ほけきょう)

● 本尊 : お釈迦様 薬師如来様(一尊一仏の教えでなく、本尊はどの仏像でも良いとされる)

天台系の宗派 : 天台寺門宗、天台寺門宗、和宗、など


詳細情報はこちら>>