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各宗派の本式数珠について

ご自分の宗派がわかる方には、本式数珠を持つことをおすすめしております。

日本の仏教宗派と本式念珠

日本国内の仏教には様々な宗派があり、それぞれ異なる教義や本尊が存在しています。数珠(じゅず)は仏教の信仰や仏事に欠かせない仏具(法具)とされています。

ご自分の宗派が分かる方は、先祖代々より受け継がれてきた信仰を尊重し「本式念珠」を持たれる事をお勧めしています。

各宗派によるお数珠の違い

仏教の各宗派の本式数珠について解説

クリックすると各宗派の説明に移動します

各宗派の念珠の持ち方や違いについて

真言宗とそのお念珠について

真言宗真言宗(しんごんしゅう)の概要

平安時代初期の僧、空海(弘法大師)を宗祖とする。万物は大日如来を根本母体とし、人もその例外ではない。法神仏である大日如来と共に修行を積む事により、生身のままで仏となれる(即身成仏) と説く。

● 宗祖 : 空海(くうかい)
● 経典 : 大日経 金剛頂経
● 本尊 : 大日如来様
(※本尊はどの仏像でも良いとされています)

 真言宗系の宗派 ・・・ 高野山真言宗、真言宗智山派、真言宗豊山派、真言宗醍醐派、 
東寺真言宗、真言宗泉湧寺派、真言宗御室派、真言宗山階派、真言宗大覚寺派、真言宗善通寺派、など
【 真言宗のお念珠の持ち方 】

真言宗のお数珠の持ち方

①両手の中指でお念珠を掛けます ②そのまま合掌します ③房は自然と垂らします
【 真言宗のお念珠 】

真言宗では特にお念珠を大事にするといわれます。在家用には主玉:108個、親玉:2個、四天玉:4個に、梵天房が一般的です。

親玉から7つ目、21個目に四天玉があります。長い一連の珠数を二重にして用い、その形状から振分(ふりわけ)珠数とも呼ばれます。

密教では、念珠を擦り鳴らして音を立てる特徴があり、修法の終わりを知らせる合図としていました。念珠を擦ることは、百八の煩悩をすり砕く意味があります。

【 真言宗のお数珠の標準的なサイズ 】
お数珠を両手で持ち、左右いっぱいに広げた時の長さを基準にしています。
男性用:一尺二寸 ⇒約36.3cm
女性用:八寸   ⇒約24.2cm
真言宗 男性数珠販売
真言宗 女性数珠販売

浄土真宗とそのお念珠について

浄土真宗 本願寺派浄土真宗(じょうどしんしゅう)の概要

親鸞(しんらん)を宗祖とする。全ては阿弥陀入来のご加護の力であり、信じること、念仏を唱えることで極楽往生できるとし、『他力本願』を説く。
浄土真宗には本願寺派(お西)と大谷派(お東)があり、念珠の持ち方も若干違います。

浄土真宗 大谷派
● 宗祖 : 親鸞(しんらん)
● 経典 : 浄土三部経 特に「無量寿経」

● 本尊 : 阿弥陀仏様

浄土真宗系の宗派:浄土真宗本願寺派(西)、真宗大谷派(東)、真宗高田派、真宗仏光寺派 など
【 浄土真宗のお念珠の持ち方 】

浄土真宗のお念珠の持ち方

* 本願寺派(お西):お念珠を二重にし、合掌した手に掛け、房を下に垂らします。
* 大谷派(お東):二重にしたお念珠の親指と人差し指の間ではさみ、房は左手側に垂らします。
※男性用の浄土真宗のお念珠は、基本的に片手数珠の持ち方と同じです。

【 浄土真宗のお念珠 】

浄土真宗の念珠は数取りができないように、房が「蓮如(れんにょ)結び」になっています。煩脳具足(ぼんのうぐそく)そのままで救われるという教義です。

数珠の形にこだわりはありませんが、大切な法具として扱います。浄土真宗の数珠は門徒数珠と呼び、本来は長い一連の念珠を二重にして用います。主玉:108個、親玉:2個、四天玉:4個で構成されていますが、男性は一連の数珠に紐房を付けたものが主流です。

二連の数珠の房について:本願寺派(お西)では頭付撚房が、大谷派(お東)では切房が主に用いられます。

  【 浄土宗真宗のお数珠の標準的なサイズ 】
女性用はお数珠を両手で持ち、左右いっぱいに広げた時の長さを基準にしています。
男性用:主玉が22個 ⇒男性用は略式数珠と同じく主玉の数(22個)が標準です
女性用:八寸 ⇒約24.2cm
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日蓮宗とお念珠について

日蓮宗 宗紋日蓮宗(にちれんしゅう)の概要

日蓮を宗祖とする。経典とする法華経の中で 『上行菩薩』は日蓮自身とし、法華経と人の生き方との一体化を目指す。「南無妙法蓮華経」(題目)を唱える事で、全て万民は成仏できると説く。


● 宗祖 : 日蓮(にちれん)
● 経典 : 法華経(ほけきょう)
● 本尊 : お釈迦様 大曼荼羅


日蓮宗系の宗派・・・日蓮正宗、法華宗、不受布施派、本門佛立宗、など
【 日蓮宗のお念珠の持ち方 】

日蓮宗のお念珠の持ち方

①念珠の輪を8の字に捻じり、中指に掛けます ②右手に二本に房、左手に三本房が来るように持ちます ③そのまま合掌します
【 日蓮宗のお念珠 】

日蓮宗には念珠の玉一つ一つに意味を与えた珠数曼陀羅があると説きます。

数珠は法華(ほっけ)数珠とも呼び、日蓮宗では祈祷する際に、木剣と念珠を組み合わせたものを打ち鳴らします。従って、黒檀や紫檀など、堅く丈夫な材質が主流でしたが、昨今は水晶など、様々な素材があります。

【 日蓮宗のお数珠の標準的なサイズ 】
お数珠を両手で持ち、左右いっぱいに広げた時の長さを基準にしています。
男性用:一尺 ⇒約30.3cm
女性用:八寸 ⇒約24.2cm
日蓮宗 男性数珠販売
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浄土宗とそのお念珠について

浄土宗浄土宗(じょうどしゅう)の概要

法然(ほうねん)を宗祖とする。法然が草庵を結んだ地に、法然の弟子である源智が、『大谷寺』を創建したのが浄土宗の始まりとされている。修行による成仏を認めず、阿弥陀仏の名を唱える念仏をすることで(専修念仏)、極楽往生できると説く。

● 宗祖 : 法然(ほうねん)
● 経典 : 浄土三部経 特に「観無量寿経」

● 本尊 : 阿弥陀様

浄土宗系の宗派 ・・・ 西山深草派、西山浄土宗、西山禅林派、など
【 浄土宗のお念珠の持ち方 】

浄土宗のお念珠の持ち方

①2つある輪の親玉を揃えます ②合掌した手の親指に掛け、房は手前に下します ③また、浄土宗内の宗派によっては、房を外側に下す持ち方をします
【 浄土宗のお念珠 】

浄土宗の念珠は、2つの輪を一つに繋いだような形状が特徴です。
僧侶が儀式の際に使う念珠は、荘厳数珠と呼ばれ、これは水晶のみの108珠の数珠です。
一般在家信徒が使う念珠は日課数珠と呼び、形状は以下の写真のものです。元々、日課珠数とは「私は一日に○○回、念仏を唱えます」と、誓約を立て、お念仏を唱える回数を数える道具です。

【 浄土宗のお数珠の標準的なサイズ 】
お数珠を両手で持ち、左右いっぱいに広げた時の長さを基準にしています。
男性用:九寸 ⇒約27.3cm
女性用:八寸 ⇒約24.2cm

曹洞宗・臨済宗とお念珠について

曹洞宗 臨済宗 宗紋曹洞宗(そうとうしゅう)臨済宗(りんざいしゅう)の概要

『人の心』と『仏の心』は一つ(仏性)と説く。自分自身の本質を追及し、悟りを求める宗派。始祖は栄西で『臨済宗』の禅を伝え、後に道元が『曹洞宗』の禅を伝えた。曹洞宗・臨済宗、共に禅宗とも呼びます。

《 禅宗(ぜんしゅう) 》

● 宗祖 : 道元(曹洞宗) 栄西(臨済宗)
● 経典 : 正法眼蔵(曹洞宗)
※臨済宗は特になし
● 本尊 : 釈迦如来様
始祖は道元。座禅による実証、『只菅打座』(シカンタンザ)を本旨とし、座禅する事で真実の自己・仏性に目覚め、悟りの境地へと至るとする。

禅宗系の宗派 ・・・ 妙心寺派、建仁寺派、南禅寺派、東福寺派、など
【 禅宗系のお念珠の持ち方 】

曹洞宗・臨済宗 禅宗系のお念珠の持ち方

①念珠を二輪にし、左手に掛けます ②そのまま右手を合わせ、合掌します
【 曹洞宗・臨済宗のお念珠 】

禅宗ではお念仏やお題目を唱えず、自己と向かい合う座禅を重んじます。他の宗派のような作法や規定は存在しません。
一般的に、主珠が百八個の一連珠数を二重にして用います。曹洞宗と臨済宗の念珠は基本的に同じ形ですが、前者には金属の輪が付き、後者には付きません。

【 曹洞宗・臨済宗のお数珠の標準的なサイズ 】
お数珠を両手で持ち、左右いっぱいに広げた時の長さを基準にしています。
男性用:一尺二寸 ⇒約36.3cm
女性用:八寸 ⇒約24.2cm
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曹洞宗 女性数珠販売
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天台宗とお念珠に関する情報

天台宗天台宗(てんだいしゅう)の概要

中国の天台大師を高祖とし、日本の伝教大師最澄を宗祖とする。人はもちろん、動物、草や木でさえも成仏出来る、「一切皆成(いっさいかいじょう)」を教えとする宗派。数珠を擦って音を鳴らす拝む方もよく見られます。
 

● 宗祖 : 最澄(さいちょう)
● 経典 : 法華経(ほけきょう)

● 本尊 : お釈迦様 薬師如来様(一尊一仏の教えでなく、本尊はどの仏像でも良いとされる)

天台系の宗派 : 天台寺門宗、天台寺門宗、和宗、など
【 天台宗のお念珠の持ち方 】

天台宗のお念珠の持ち方

①お念珠を、人差し指と中指の間に掛けます ②そのまま合掌します
【 天台宗のお念珠 】

一般的に天台宗のお念珠は、扁平な平玉(ミカンのような形)が特徴です。
主玉:108個、親玉:1個、四天玉:4個で構成され、親玉から連なる房には、20の平玉と10の丸玉が付いています。

【 天台宗のお数珠の標準的なサイズ 】
お数珠を両手で持ち、左右いっぱいに広げた時の長さを基準にしています。
男性用:九寸 ⇒約27.3cm
女性用:八寸 ⇒約24.2cm
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ご先祖の歩みと宗派用念珠について

我が国では、最澄が最初に『日本天台宗』を開いて以降、平安時代から鎌倉時代にかけて、次々と新しい宗派が打ち立てられました。

これらの宗派は、時代の流れと共に分かれては発展し、現在のような様相を呈しています。宗派は『家の宗教』ともいわれ、それぞれの世代の家庭の中で伝承され、家系の中を脈々と流れてきたのです。数珠という物は、親が子へ、その幸せや健康を願い与えるものでありました。

もし貴方が、この時代に生きていながら、ご自身の宗派が分かるというならば、それは幸いな事です。代々のご先祖様が脈々と信仰を守り、受け継いできた証であるからです。様々な苦労の中にあっても、神仏を尊び、子孫の繁栄を願い人生を歩んできたその姿に思いを馳せ、思いを受け継ぐことは尊いことです。

宗派用の本式数珠を持つということは、そのような先祖の真心に感謝し、見える形として受け継ぐ行為です。
ご自分の宗派が分かるのであれば、本式数珠をお一つ持たれてはいかがでしょうか。