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浄土宗について

宗派による違い(浄土宗)

浄土宗について

由来

万民救済の道を探し求めていた法然は、中国浄土教の祖・善導(六一三~六八一)の教えに出会い、念仏至上主義の浄土宗を興した。

教えの特徴

身分・職業の貴賎を問わず、また、どんなに罪深いものであっても、極楽への往生をひたすら願い、阿弥陀仏の衆生済度の誓いを信じて一心に「南無阿弥陀仏」と称えれば、救いに与る事が出来ると、法然は説いた。
自力を否定し、他力に全てを委ねる法然のこの説教は極めて革新的なもので、既成集団の説教の方法論を破砕するものだった。

本尊

『阿弥陀如来』を本尊として中央に、その右側に脇侍として慈悲を表す『観音菩薩』、左側には智慧を表す『勢至菩薩』を祀り、『弥陀三尊』と呼んでいる。

経典

『浄土三部経』として知られる『無量寿経』、『観無量寿経』、『阿弥陀経』が根本経典であり、その他、法然の著した『一枚起請文』『一紙小消息』がある。

宗派の流れ

法然には弟子が数百人もあり、法然没後、各地に分散した弟子たちを源流として諸派が生まれ、今日の浄土系諸宗派の基となった。そのうち、後世まで続き、発展して行ったのは『西山派』、『鎮西派』そして親鸞の『浄土真宗』である。
『西山派』は分派して『西山六派』となった。
『鎮西派』は江戸時代、将軍家の外護によって『知恩院』や『増上寺』を中心に強大な勢力を持つに至り、最終的に浄土宗の主流となった。

主な寺院

総本山 知恩院(京都府)
大本山 百万遍知恩寺・清浄華院・金戒光明寺(京都府)
増上寺(東京都)
光明寺(神奈川県)
善光寺大本願(長野県)
善導寺(福岡県)
 
本山 浄土宗西山禅林寺派総本山 禅林寺(京都府)
浄土宗西山深草派 誓願寺(京都府)
西山浄土宗総本山 光明寺(京都府)

主な行事 ※各宗共通の行事は除く

善導忌 3月14日 浄土高祖善導の忌日
元祖光誕会 4月7日 法然の誕生日
御忌大会 4月18日 法然の忌日
十日十夜法要 10月または11月 念仏を唱える法要

コラム

「極楽」
仏教では、衆生救済の誓いを立てて悟りを開いた仏陀がその誓いによって自ら建設した清浄な国土を『『浄土』』と呼び、凡夫の住む国土を『穢土』と呼ぶ。様々な浄土のうち、『阿弥陀仏』が建設した浄土が『極楽』であり、西方十万億土を経た所にあるとされている。
まったく苦しみのない安楽な世界で、阿弥陀仏の説法が常に行われ、念仏行者は死後ここに生まれるという。浄土信仰は、古代インドに発生して以来、中国で発達し、東アジア大乗仏教における最大の流れとして今日に至っている。

祖師・法然 (1133~1212)

美作の国(現在の岡山県)の豪族の生まれ。
諡号は円光大師など。幼くして出家、長年修業と学問に明け暮れた。
四十三歳にして中国浄土教の祖・善導の『観経疏』←かんぎょうしょ(観無量寿経の解説書)によって心眼を開かれ、専修念仏に帰した。
既存宗団を驚かすほどの信奉者を集め、旧勢力の圧力で一度は流罪となった。