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諸宗派の情報

諸宗派について

《 法相宗 》

『西遊記』で知られる『玄奘』が中国にもたらしたインドの唯識学は『玄奘』の弟子たちの『窺基』←(きき)(632~682)により法相宗として大成された。

『成唯識論』を中心に唯識の立場から諸現象の実態を研究し全ての存在は『識』(認識)が 生み出す影像であると説く。

日本には、玄奘に学んだ『道昭』(629~700)によってもたらされ、『南都六宗』の一つになり、もっとも栄えた。「興福寺」・「薬師寺」(奈良県)を大本山とする。
 

《 華厳宗 》

華厳宗は、唐の「法蔵」(643~712)によって大成された。『華厳経』を所依とするが、唯識思想から多大の影響を受けている。

全世界が「一即一切・一切即一」の無限の関係において成立し『円融無碍』であることを説き、天地万物すべて毘蘆舎那仏の顕現と見る。

日本には、『法蔵』に学んだ新羅の『審祥』(?~742)によってもたらされ、南都六宗の一つになった。
鎌倉時代に『明恵』らが中興。『東大寺』を総本山とする。
 

《 律宗 》

日本に伝えられた『律宗』は、唐の『道宣』(596~667)が大成した『南山律宗』である。戒律の研究と実践を主とする。

「道宣」の孫弟子の『鑑真』(688~763)によって正式に我が国にもたらされ、南都六宗の一つとなった。「東大寺」・「下野薬師寺」・「観世音寺」の三戒壇が定められ、「唐招提寺」が建立され栄えた。

のちに分派して各々が本山を持ったが、明治時代に政府により『律宗』は『真言宗』に包括され、現在では本山は『唐招提寺』だけとなっている。
 

《 融通念仏宗 》 ※浄土宗系

日本浄土系の一派で『大念仏宗』とも呼ばれている。祖師は『良忍』(1072~1132)。
 
『良忍』は『比叡山の堂行堂』の堂僧出身であるが、当時の天台宗の常行念仏では自分も一般大衆も救われ難いとし、口称念仏があらゆる「行」に通じる真の救済であるという新境地を開いた。

「一人一切人、一切人一人、一行一切行、一切行一行、これを他力往生と名づく」とし、一人の念仏が万人の念仏と融通し合ってできると説いた。

総本山は『大念仏寺』(大阪府)
 

《 時宗 》 ※浄土宗系

日本浄土教の一派。祖師は『一遍』(1239~1289)。『一遍』は『熊野権現』から受けた神託に基づいて「南無阿弥陀仏決定往生六十万人」と記した札を配り、これを受ければ救われるという「賦算」←(ふさん)という教科方法を編み出した。

一所不在の生活に徹し全国を遊行して一般大衆の間に念仏を流行させた所から『一遍』は「捨て聖」とも「遊行上人」とも呼ばれるようになった。

本山は『清浄光寺』(通称・遊行寺、神奈川県)
 

《 黄檗宗 》 ※禅宗系

日本三禅宗の一つ。祖師は明代末の臨済宗の禅僧『隠元』(1592~1673)。

『隠元』は一六五四年に渡米し中国の故山に倣って宇治に『黄檗山万福寺』を創建した。宗名はこれによる。明代に広まった念仏禅を踏襲し自戒主義や浄土教的な念仏の兼修に特徴を持つ。

万福寺に代表される『黄檗宗』の諸寺院は明・清の建築様式に倣ったもので『黄檗様式』と呼ばれる。『黄檗宗』はまた、中国風の書画詩文や普茶料理の普及にも貢献した。

本山は『万福寺』
 

仏教の各宗派の相関図

仏教の相関図

■ 仏教の各宗派の関係を大まかに表した図です。



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